タンクターミナル事業のいろは column

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液体貨物の保管、入出荷を確実にサポート

セントラル・タンクターミナル(CTT)は、石油類や化学薬品等の液体貨物の保管・倉庫業を展開しています。具体的には、消防法危険物第4類の引火性液体類(ガソリンや灯油、アルコール、動植物油)を中心とした液体製品をタンクに保管し、お客さまのご要望に基づいた形で次の輸送先に送り出します。
 
私たちの使命は、お預かりした製品の品質を出荷時まで維持すること。品質を担保するためには、さまざまなプロセスが必要です。本記事では、CTTの製品受け入れから輸送するまでの流れを順番に解説していきます。

1各種入出庫(陸上/海上/パイプライン)

入庫とは、船・タンクローリー・ドラムトラックで輸送された製品を当社のタンクや倉庫に入れる作業を指します。出庫とは、当社のタンクから配管を用いて製品を船・タンクローリー・ドラムトラックに移す作業を指します。
 
入出庫の形態は大きく分けて陸上、海上、パイプラインの3つがあります。陸上とは、タンクローリーやドラムトラック、タンクで行う入出庫のことで、海上とは船舶とタンクで行われる入出庫です。パイプラインとは、当社事業所と隣接する化学プラントに通っている配管で製品を移送することを指します※。
 
※一部の事業所に限る。

2トラックスケール(台貫)

台貫とは、タンクローリーやドラムトラックに積まれた荷物の重量を計る大型計量器のことで、当社では長さ約40mのものを使っています。
 
はじめに、何も積まれていない状態の車両を計ります。その後、車両に製品を積載後、再度計量します。例えば、空の状態で計量したタンクローリーが10t、製品を積載後に計量した結果20tの場合、製品の重さは10tと分かります。

3危険物ドラム倉庫

消防法で定められた危険物をドラム缶や18L缶に充填し、倉庫に保管します。ドラム缶の状態で入荷する製品もありますが、当社ではタンクからドラム缶に充填してから倉庫に保管するケースが大半です。

CTT豆知識(1) 

同じ缶でも充填する製品ごとに重さが変わります。これは、製品の密度(物質の単位体積あたりの質量)によるものです。

4ドラム充填

タンクからドラム缶や18L缶に液体製品を充填し、倉庫で保管します。大量の液体をドラム缶に詰めて保管すれば、小分けして出荷できます。お客さまのニーズに合わせてドラム缶5本、10本と細かく出荷することが可能です。また、輸送時の効率を高められる点もメリットです。

CTT豆知識(2) 

ドラム缶以外の輸送方法は以下の2つです。製品の種類や使用量によって輸送方法が異なります。
(1)船舶:輸出する製品を輸送する。エンジンオイルの原料やポリエステル繊維の原料。
(2)タンクローリー:汎用性が高いものや大量消費するものを輸送する。塗料の原料、エンジンオイルの原料、飲料用アルコール等。

5化学物性分析

一部の事業所にて、製品の品質確認をするために簡易分析を行います※。例えば、輸送してきた船舶から当社のタンクに移送する前に、分析機器を用いて製品の水分や比重、密度、外観等を分析します。万一、計測結果が規格外になった場合はお客さまにご連絡し、再検査や返却などご要望に沿って対処します。
 
※横浜、横浜大黒、大井川、名古屋北、大阪、神戸、広島、門司事業所にて実施。

6製品のブレンド

お客さまのご要望に応じて化学製品の成分比率を変えます。希釈の場合は、製品をタンクローリーに積み込む際に水を加えます。粘度調整の場合は、専用タンクでご要望に応じた量を配合し、混ぜ合わせてからタンクローリーへの積み込みやドラム缶への充填を行います。

7蒸気供給保温加温、電気保温加温

製品によっては常温で凝固してしまうものがあります。なかには、常温で水飴のようにネバネバしてしまう製品もあり、タンクからタンクローリーに積むだけで2時間以上かかってしまいます。このような事態を回避するため、製品を積み込むのにベストな状態を維持できる温度まで加温します。加温方法には蒸気と電気の2種類がありますが、近年は環境への負荷を考慮し、CO2排出量が少ない電気加温を推奨しています。

8窒素供給

製品を保管しているタンク内部に空気が含まれると製品が酸化し、品質が悪くなってしまいますし、同様に空気中の水分により品質が悪くなってしまいます。お客さまのご要望に応じて、酸化を防ぐためにタンク内部の気相部(空間部分)に99.99%の窒素ガスを供給します。タンクローリーに積み込む際やドラム充填時にも行います。

9タンク・パイプラインクリーニング

前にタンクに保管していた製品と、次に保管する製品が混ざらないようにタンク内と配管を清掃します。一般的に業者が行いますが、CTTは自社ではクリーニングを行っています。急なご依頼でも柔軟に対応できる点がお客さまから高く評価されています。

CTT豆知識(3) 

水で落ちやすい製品なら洗浄から乾燥まで約1週間、油分が多く落ちにくい製品な2週間から3週間ほどかかります。